8月にあった、新シーズンFSプログラムの発表。
フリー「オペラ座の怪人」の構成を聞いたとき、こう思いました。
「この前表現に力をいれていきたいって言ってたよね」
「ショート後半4回転、フリー4回転3本、3Aのコンビネーション、で、それに表現力もと。心臓がもたん!」
「なみはやドームにお客用のAED用意しといてください…」
「きみは平気なのか、そんなん苦しくないんか~!」
本当はドSじゃなくてドMだろうということを、スケートではやってのける!そこに痺れる憧れるウウウ!のゆづ君ですが。
なんでここまでするのか。
まるで生き急いでいるかのようで心配、というファンの方も多いと思います。
かくいう私も、そうでした。
その答えが知りたくて、ブログでも何回か分析記事にようなものも書いてみました。
おぼろげながら、ゆづ君がフィギュアスケートにおける稀代の天才であり、その天才気質ゆえに、ここまで極めようとするのだろうなとは思っていましたが、今いちしっくりくる答えがみつかりませんでした。
そんな時に、モモ博士が書かれるブログ「覚え書きあれこれ」で、目から鱗の素晴らしい記事があがっていました。
有名なブログですので、すでに読まれている方は多いかと思いますが、リンク貼ります。
(※ブログからのリンク等は、他の記事もあわせて、モモ博士から承諾を得ています。)
覚え書きあれこれ
「寄り道ついでに:Gifted Children の三つの特徴」
※ブログ記事から抜粋
GIFTED CHILDRENとは、「(何らかの分野で)突出した才能に恵まれた子」という感じです。
さて、序章の中でウィナー教授が挙げている Gifted Children(以下「GC」) の特徴が三つあります。
それが非常に面白かったのでご紹介します。
1.PRECOCITY: Gifted children are precocious
早熟であること。
GCはそれぞれの得意分野において、学習し始め、それを極める(マスターする)のが平均以上に早い、そして速い。
2.An insistence on marching to their own drummer
マイペースであること。
GCは習得のスピードもずば抜けているが、習得のしかたにおいても質的な違いを見せる。通常のルールを無視して、自分で学び方のルールを工夫し、ペースも自分なりのものを固持する。
好奇心に突き動かされ、ひとつ何かを達成するごとにそれがモチベーションとなり、また次の段階へと進みたがる。周りの大人からのサポートに頼るわけではなく、非常にクリエイティブな方法で学習過程における問題を解決する。
3.A rage to master
GCは興味を持った分野を「極める」ことに対して、「渇望」を覚える。
RAGEとはふつう、「激しい怒り」とか「熱望」とか訳しますが、要するにこれと思った分野、それが数学であろうが、音楽であろうが、はたまたスポーツであろうtが、とにかくマスターしたいという激情を抑えられない、まるでそれを「渇望する」ような感じなのだと思います。
ここまで読めば、恐らくゆづ君がフィギュアスケートにおける「Gifted children」であろうことが、想像できるのではないかと。
個人的に、最も注目したのが、「3.A rage to master 興味を持った分野を「極める」ことに対して、「渇望」を覚える。」の項目です。
なぜ誰にも何も言われていないのに、あれほどまでに、高い目標を設定するのか。
「練習中に死ぬんじゃないか」と思われるほど練習するのか、その答えがここにあるように思います。
フィギュアスケートを極めようとするあの姿勢は、彼の才能からくる本能のようなもので、内側から湧き上がってくるものであり、決して外野から何か言われて無理をしているわけではない。彼がそうしたくて、そのような行動をしているのだろうと。
あと、以前から気になっていたインタビューがありまして…。
デイヴィッド・ウィルソンのインタビューで、ゆづ君、パトリック、ハビ君のことについて語っています。
こちらも、モモ博士のブログからです。
「やっぱりあったんだ!デイビッド・ウィルソンが肝心なところを語っているビデオ:追記で一部訳付き」
ゆづ君のことを語っているのですが、途中で、”He is so eager, soooooo eager”と語っています。2回繰り返しています。「eager」は、「熱心な、という意味でもあり、焦っている、と言う風にも取れ、とにかくこみ上げてくるような必死さ、何かを欲している感じ」とのことですが、このインタビューを読んだ時から、とても気になっていました。
フィギュアスケーターは負けず嫌いの集団です。シブシブズのアレックス君などは、「皆クレイジー」だとも。自らも元アイスダンサーであり、エキセントリックな人物として知られ、長年、その負けず嫌いでクレイジーなフィギュアスケート選手達の振付をしてきたウィルソンが、ここまで言うなんて、どういうこと?と不思議に思っていました。
ちょっとゆづ君のことを心配していたのです(>_<)
ですが、Gifted childrenの特徴を見たときに、もう、霧が晴れたような感覚になりました。
ウィルソンが言っていた、”He is so eager, soooooo eager”は、まさに、ゆづ君が持つ
「A rage to master 興味を持った分野を「極める」ことに対して、「渇望」を覚える。」の部分を指していたのだろうと。
渇望。so eager。そのまんまですわ。
結論から言えば、一般常識を「Gifted children」に、ゆづ君にあてはめて心配しなくても大丈夫だ、ということです。
私のような凡人から見て、「何もそこまで自分をいじめなくても」と思うほど高い目標を掲げて練習するのは、彼の才能からくる本能なのだと。
あ、これ個人的な意見ですのでww。
逆に言えば、一般常識をあてはめようとすれば、ゆづ君は窒息してしまうかも…。
彼は感受性が非常に強く、地震の際に仙台のリンクが壊れていく様子を感じ取ったという話を聞いて、周囲のことにすごく敏感な子なのだと思ったので…。
あと、ファッションに興味ないのも納得。
スケートを極めること以外、頭にないんだろうなあ。
ゆづ君の才能については、日本だけでなく、外国のファン…例えば、ゆづファンで有名なブリティッシュ・ユーロ・スポーツのサイモンさんは、ミスが重なった2013年の世界選手権SPの際、「いや、なんてことでしょう…。しかし彼のような才能を持つというのは大変な責任なんですよ。いやぼくは…この演技のあとであえて言わせてもらえば、僕は彼はフィギュアスケート史で恐らく一番のスケーターになる可能性を持っていると思いますよ
。でも、今日はその才能をもてあました。」と語ってますし、また、カート・ブラウニングさんも、先のインタビューで、「ゆづるの大ファンなんだ」と語っていました(パトリックは?)。
また、姉は海外への通信販売をしているのですが、「蒼い炎」を購入したベルリン在住のアーティストだという人に、なぜ購入したのか聞いたところ、「ゆずるは天才だから。長年フィギュアスケートを見てきたけど、最も才能がある選手だと思う。」と答えたそうな。
私も、ゆづ君をはじめてみたとき、あまりの才能に震えがきて、ドキドキしました。
見つけるのは遅かったですけどねっ。
どうか、その素晴らしい才能がさらに開花して、スケートに専念できる状況になるよう、願っています。
もうこれ以上の取材はよかろう汗。
早く仙台もしくはトロントに返してあげてほしいです~。
余談:ウィルソンさんのインタビュー聞いていると、ウィルソンさんも、あとオーサーさん(他のインタビュー等で感じたこと)も、ゆづ君が持つGifted childrenの特徴にまだ戸惑って、試行錯誤をしている途中のような印象を受けます汗。もしかして、女性の方がおかんのような気持ちになって、わかりやすいのかもと思いました汗(トレイシーさんとか、シェイリーンさんとかの発言聞いていると…ジョニーでさえ「飢えた野犬のよう」とか言っていたのに、シェイリーンさんは「スウィート・ソウル」ですから)
○このまじめ記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます
コメント
興味深く、素敵な記事をありがとう!
喉につっかえてた小骨が少し取れたような気分です。ありがとうございました☆
私もモモ博士のこの投稿を読んで、ああ、漠然と思ってたところを文章にしてくださったなあと、感謝してました。
そして同じようにデイビットやその他のインタビューを聞きながら感じていたことを、今度はちいこさんがこのように文章にしてくださり、大変共感し、朝からホッとして今日も一日頑張れます(笑)
常識外れ・・・というと、常識からずれた困った人という意味に取れてしまうけど、常識に当てはまらない人という意味で、この言葉が最初に思い浮かんだの
そうだ、どんな世界にでも「天才」って呼ばれる人たちが稀に現れてびっくりさせられる
このGifted children、腑に落ちるね
結弦くんにそのまま当てはまる・・・!
余談だけど
Ellen Winner さん・・・ここに手をつけたのか・・・
どうやって展開するんだろ?
サンプル数がやたら少ないと思うけど
ということに気になっちゃった
ほんとに羽生くんは凄い人なのね。
私にしては珍しく長続きして応援してるの。
まぁ、ゆづ友さんとのやりとりも手伝っているかもしれませんが。
GC
読んでいると何かに似てるなと思ったの。
中学受験に相応しい子供。
うちの子は公立中学へ進んでいますが、昨今は中学受験して私立に行く子供が多いのです。
塾の先生が言うには、中学受験(小学受験もかな)に相応しい子供は早熟な子供。
親がうるさく言わなくても勉強、自分のことをできる子供。
確かに中学受験の試験問題は、かなり考えさせる問題があるのです。一つのテーマを与えられて自分なりの意見を答える。
付け焼刃の勉強では無理。
というところが、似ているなぁと思いました。
だから何ってことはないのです。
とんちんかんな事を言っていたら怒ってね。
震災が無かったとしたら(もちろん無いに越したことはない)彼はどうだったのだろう?トロントへ行っていなくて、奈々美先生と歩んでいたのかな?GCという才能をもっともっと開花させていたのだろうか?
?ばかりだね。
もっともっと、スケートだけを追い続けることができたのでしょうね。
>yuzuna.さん
yuzunaさん、こんばんは(^O^)
私も、この記事をモモ博士のブログで読んだとき、同じ気持ちになったよ。
ゆづ君、すごく頑張り屋だから、ついつい心配しちゃうのよ。こういう時は、おかんな気持ちです(>_<)
>赤毛のアンさん
私も、モモ博士のブログで読んで、ピースがうまくはまったというか、なんだ、そうだったのかという気持ちになりました!
赤毛のアンさんも、デイビッドのインタビュー見てそう思われてましたか(;^_^Aすごく気になってたんですよ~。そこまで言われるゆづ君って…とか、パトリックと特にハビ君の話との温度差が…(>_<)まあ、ゆづ君は規格外ってことで、もしくはプル様の後継者の宇宙人見習中ってことで、デイビッドがYUZURUわけわからんで興味なくても(←言っちゃったww)いいの!どこまでも応援しますっ。
>さきちゃさん
さきちゃ、こんばんはにゅ~。
ゆづ君は本当に規格外で、ファンはそのびっくりドッキリ行動(フィギュアスケートの)に心配の種がへらないよね汗。
私らの常識にあてはまらないような、ゆづ君がやりたいこと、やっておしまい!と思えるようになったよ。天才だから仕方ないわ汗。
Gifted children、一つの考え方だけど、腑に落ちるところがいっぱいあって、びっくりしたよ。
さきちゃ、心理学とってたから、Ellen Winner さん知っているんだ~(私はもちろん知りませんとも!)。やっぱりサンプル数少なそうよね(>_<)天才児だけに…。外国ではそういう研究が進んでいるのかな~。
>blue mapleさん
中学受験の試験問題を見たことがあるけど、地頭の良さをテストするような感じがした~全然わからなかったww。
私の頃の有名私立中学に行く子も、学校の勉強だけで試験に合格するような感じの子が合格してたよ。たぶん昔からそういう試験だったのだろうね。青田買いみたいなもの?と思ったわ。
仙台で練習できてたら一番良かったのだろうけど、あのリンクは狭いし、奈々美先生も家庭があるから、世界のトップ選手を一人で見るのは、いずれ無理がきてたような気がする(>_<)
震災がないにこしたことはないけど…ゆづ君が早くに大人びる一番の原因だったろうなあ。
一番いいのは、震災がなくて、外国に行って異国の生活の中で自立した大人になるというのが良かったのだろうけど・°・(ノД`)・°・
ちなみに、奈々美先生には、振付師として、ピョンチャンOPのシーズンの振付してくれないかなあという夢を描いてます(*^.^*)
>ちいこさん
コメントを修正できないので、追記で修正です汗。震災はないにこしたことないは、誤りで、「震災の経験は、ゆづ君には…」に訂正させていただきますm(_ _)m
なかなか、面白かった。
早熟な子供かぁ。
羽生君は、初めて見た時から、「生き急いでる感」が強くて、ひやひやしておりました。
ちょっと納得できたかな。
自分でも「肉体的限界に挑戦」ち言っちゃってますよね。
彼の限界がどこにあるのか、まだ知るよしもありませんが、彼の次の一戦をしっかり見届けたいと思います。
てか、次の彼の演技を見るのが「フィンランディア」かあ~っ!!!
うわわわわ、心臓に悪い~~!
あの鬼構成、ほんとに出来るんだろうか。
>あやや(SAKURA)さん
あややさん、こんばんは~(^o^)私は、最近のファンだけど、短い間にも「なぜここまで前のめりな生き方する!?」とドキドキ、ハラハラしていたので(>_<)ギフテッドチャイルドは考え方の一つではあるけど、あてはまるところが多くあって納得しました~。
次はフィンランディアか~ハッよく考えなくても、約一月後?早い~はやくトロントに帰って練習練習(^o^)ま、またもやステルス帰国しちゃってるかもしれないけど。