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硬質には表れない野生、羽生結弦。

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前の記事で追記で書こうかなと思いましたが、いい記事だったので掲載しようと思ったのでこちらに。
ネイサン君関係のブログを見て、羽生君には考え方で欠けているものがあるとか同じ失敗をとか見かけましたけど。。。先日のネイサン君のインタビューね。私は逆ですな、ライバルのことを意識しないようにしているあの考え方は普段のシーズンではとてもいいけど、オリンピックシーズンではどうかな、とおもったけどな。
見たくなくても否応なしにプレッシャーが365日振りかかってくるのがオリンピックシーズンで、他のシーズンとは全く別物。羽生君がいつも追い込んでいるのも、ロシアの女子選手や日本の女子選手が強いのも国内にライバルが沢山いて、国内のOBOGからもメディアからもあれこれ言われ続けて常日頃プレッシャーに晒されて真正面からプレッシャーと対峙しているから。だからあのオリンピックの独特の緊張感にも耐えられる。って自分が自国開催のオリンピックで失敗したオーサーも書いてましたからな。。
アメリカにはそれがない。うるさいメディアもSNSもフィギュアスケートには興味もない。
しかし、オリンピックシーズンは違う。
普段フィギュアスケートに興味がないアメリカという国は、金メダルがかかってくるとなると突如周囲の状況が変わる。
マスメディアの煽り、賭け事の対象にさえなる、スポンサーが沢山つく、インタビューに次ぐインタビュー、プレッシャーの嵐。
何故フィギュアスケートが人気がある国の選手が強いかと言えば、普段から外部からのプレッシャーに晒されているからだと言えると思う。
外部から、というのが味噌です!
どうなるか見てみないとわからんと思うよ。
ま、ただ今のところ羽生君以外ネイサン君のライバルになりそうな選手はいなさそうだがの~|д゚)
水泳の北島選手を育てたコーチの言葉を書いたコラムが興味深かったので掲載します。
羽生結弦、異次元の強さを支える「硬質には表れない野生」
長田渚左(ノンフィクション作家)
 羽生結弦のショートプログラム(SP)を見たとき、本当に心の底から驚いた。
 別次元だったからだ。その完成度の高さは揺るぎないどころか、ひょっとして羽生結弦という人間は二人いたのではないかとさえ感じたほどだった。
大怪我をしてリハビリをしていた羽生と、もう一人はひたすらこの4カ月、技を磨き続けていた別の羽生…。
 この日の彼はそれほど自信に満ち、完璧なジャンプを次々跳んだ。
 その完璧なスケーティングは、彼の後に続くメダル候補たちへ余波となり、次々とミスを生じさせてしまうようにさえ見えた。
 圧巻の演技の後、アナウンサーが聞いた。
 「どうしてここまで揺るぎのない完璧なスケートができたのでしょうか」
 羽生は柔らかな微笑のままに答えた。
 「オリンピック(という舞台)を知っています。元(ソチ五輪)のチャンピオンでしたから」
 その言葉は、異なる次元の自信を口にしたように思えた。
 あの言葉は、こんな風に訳すことができないだろうか。「以前は雲の中しか歩けなかったのですが、今は海の上も歩けるようになっています」
 改めて言うが、大怪我をして平昌五輪出場が危ぶまれた羽生は、もう一人の羽生のことだったのだろう。
 少しの不安もなく、何の問題も抱えていないどころか、試合に出たくて仕方のない羽生が今、氷上にいることは間違いない。
 以前、彼と同じようにとんでもない自信を見せ、本番でとびきりの強さを見せたアスリートを取材したことがある。
 アテネ、北京と五輪二大会連続で金メダルを獲得した競泳の北島康介である。
実はその北島を五輪候補選手として平井伯昌(のりまさ)コーチが推したとき、所属先のコーチ全員が反対していたことをご存じだろうか。
 理由は単純明快だった。北島よりも速い選手が他にもいたからである。では、なぜ平井コーチは北島をオリンピックの看板選手に育てたいと思ったのか。
 「メンタルの強さです。五輪は人間の総合力の勝負の舞台です。タイムは表に出るので惑わされる。しかし国際舞台での勝負は、人間丸ごとの闘いなのです」
そして平井コーチはこうも言った。
 「練習を重ね、だんだんタイムが出て速くなっていくと、さらに野性が増して、メンタルが強くなっていくと思いがちですが、そういう訳にはいかないことも多い気がしていました」
 つまり、持って生まれたメンタルの強さや野性味を減らさないようにすることの方が大切らしい。

 羽生結弦というアスリートは他人に対してとても優しい。「くまのプーさん」も大好きで、ぬいぐるみを眺めているときなど、「ゆず君」「ゆずちゃーん」という声がかかると、そちらを向いて、ニコッと笑顔を返す。それはリラックスをしているときの彼であって、他人にはほとんど見せない練習中は、鬼のようにストイックらしい。
 あるドキュメンタリー番組で、羽生が怪我をした瞬間を見たが、納得ができずに、ずっとずっと気が遠くなるほど、長時間のジャンプ練習を繰り返した中で起きたものだった。
 その映像で鬼気迫るほどの野生が羽生を支えていたことがわかった。
 しかも、彼の持ち味である、彼のとびきりの自信は表面的には硬質には表れないのも特徴だろう。
 羽生のコーチであるブライアン・オーサー氏は大会前、平昌五輪への期待を聞かれ、こう言っていた。
 「…羽生をみくびってはいけない」
 たぶんオーサー氏は、「野生」を源にしたケタはずれのメンタルを羽生が持っていることを、身をもって知っていたのである。
ソチ団体で「ろっしーあ!ろっしーあ!(しかも羽生君のコールの後のロシアコールですよw)」コールの中完璧演技をした羽生君でっせ?プーさんの雨どころじゃないっす。
普段のシーズンでは過剰なまでの野生味が爆弾のように暴発するけど。
百選錬磨のコーチ達は知っているのだろう、オリンピックで金メダルを取れるのはすり減らさずに持って生まれた野生の魂を持ち続けている選手だ、ということを。
いやあ、それにしても凄いなあ羽生君は。
こんなに点差がついたら普通世間体を気にしちゃうのが凡人ですよ、やめちゃうよ。
でも戦うのが楽しいと言ってのける羽生君、金メダル2個もっていてトップで居続けて負けちゃうのは普通世間体が~とか思っちゃいそうなのに(凡人は)、この人は本当にフィギュアスケートが好きなんですよ。
うんうん。
羽生君のスケートの素晴らしさはフィギュアスケート愛なんだろうなあ。
フィギュアバカ一代。
私はやっぱり鈍くさくてもフィギュア愛が炸裂している人の演技が好きなんだな、だからエモいのだよ。

2019-2020試合
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コメント

  1. 月桃 より:

    実は今回のネイサンの演技を見て、まだMAXの技術構成ではないなと感じたのです。SPは4T+3Tを4F+3Tに。FPは4F+3Tを4Lz+3Tに、4Tを4Fに出来るのではと。基礎点の高いジャンプを跳べば、GOEの実数値も上がります。言うは易しで、身体への負担がどうなのか、理解できない自分の机上の空論なのですが。今回の点差は、羽生君の挑戦の機会でもあり、ネイサンの挑戦の機会でもあったようです。
    佐野稔の舞評論で「フリーで4Aを2本、4回転ルッツ、ループ、サルコー、トーループに3Aを加えたジャンプ構成でなければ勝てない」との記事を見ました。
    GOE+5によって、ジャンプだけでなく色んな点の取り方の出来る採点システムになってほしかったけど、理想とは違い、そのうちTRも採点項目から消えそうですね。佐野さんの意見も現実離れでもないのかなと思いました。
    ネイサンのFPは、新ルールに沿って、よく考えてあるなと感じます。メドレー形式で、スピンでさりげない曲の切り替えをしたり、身体に無理な負荷をかけない編曲で、高難度ジャンプに集中しやすい。曲全体にエモーションが大きいと振付に体力を削られそうですが、最後のChSqに集約させている。合理的と言うか超効率的と言うか。振付師とコーチのメソッドと本人の高い身体能力が何とも絶妙です。
    北京五輪の事はわかりませんが、羽生君の4A挑戦の起爆剤になってくれているように感じました。ロシアン女子達も。怪我を上手く回避して、4Aに辿り着いてほしいものです。

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