カナダでは、現在オンタリオ・サマースケートが開催されていて、クリケットのナム君も出場する予定だそうだ。

ナム君の今季のプログラムは

ＳＰ「キリング・フィールド」　振付：デヴィッド・ウィルソン
ＦＳ「パッサカリアとフーガ（バッハ）」振付：ジェフリー・バトル

この選曲には唸った。

なんという攻めの曲だろうか。
キリング・フィールドはカンボジア内戦をテーマにした映画のサントラであり、ナム君のルーツに近いといえば近いが、複雑な感情を呼び起こすだろう。
ＦＳは、これまた超重いバッハの曲で、今をときめくバトルに振り付けを依頼。

カナダ王者防衛とパトリック追撃に照準を合わせた、まさに、「攻撃は最大の防御」。
羽生君に続く、クリケット十八番の作戦だ。

クリケットは本気を見せてきたな、とこの選曲を見ただけでワクワクしてきた！

私はフィギュアスケートの試合が大好きだ、中毒、といってもいいかもしれない。

きっと、最初に見た試合が、よりによってさいたまワールドの男子フリーだったのが、いけなかった。

町田選手と羽生選手がお互いに力を出し切り、特に男子フリーの最終グループの緊張感、ヒリヒリ感、ワクワク感は今でも忘れられない。
羽生君もだが、ことに町田君の演技・気迫はすさまじく、羽生君ファンであったが、この町田君になら負けてもいい、と思わせる内容だった。

今でも、一番感動した試合はどの試合か、と聞かれれば、この試合だと答えるだろう。
あの感動は、胸の中にいつまでも光っている。

また、アイスダンスＦＤのデッドヒートもものすごかった。
最終ペアの点数が出た際には、あまりの僅差にどよめきが起こったほどだった。

さいたまワールドのような試合をもう一度見たくて、私は何度も試合を見に行っている、といっていい。

羽生君の大ファンで、彼が心の真ん中にいることは確かだけど。

私は、もっと、もっと、凄い演技を、試合を見てみたい。

日本でも世界でもいい、羽生選手に後ろからひたひたと迫り、追い落とそうと爪を立て、引きずりおろす選手が出てくることを願っている。
そうでなきゃ、あの闘争心の塊の彼も面白くないだろう。
「平昌で終わり」と何度も言うのは、自分に言い聞かせ、ブレーキをかけなきゃ止まらない、というのもあるんじゃないか。
しょうまとそうたの死闘を横目に講師をする？
我慢できるのか、それ。。。。

羽生君がぶっちぎりの試合なんて、喜んでる場合じゃない。

野球の７回コールドの試合なんか、どこが面白い？

４－０のワールドカップの決勝戦なんぞ、数年たてば記憶の彼方だ。

いつまでも覚えているのは、突き放されても最後まであきらめず、お互いぎりぎりの戦いをしたなでしこのＷ杯優勝時のような試合だ。

ジュニア世界選手権の頃、宇野昌麿君が羽生君のことを、「一生勝てない先輩」と言ったとき、本音かどうかはわからないが、残念だった。
絶対に追いつき、追い越してやる、という気迫を持ってほしかったからだ。
しかし、今季はＳＰ，ＦＳから高難度構成で攻めてきた！
シニア１年目は羽生君でさえ厳しかったので、もしかしたら我慢の時期になるかもしれないけど、その挑戦の姿勢を続けていってほしい。

そして、いつか羽生君の背中にぴったり張り付いて、ロックオンしてほしい。

そーた君もね！そして、オリンピックシーズンに急伸した羽生君と町田君、リプニツカヤちゃんのように、どこかの誰かの選手も。

今期から、４回転は転倒したらＧＯＥは－４になった。

しかし、それをも上回る飽くなき闘争心、挑戦、攻めの姿勢に、今シーズンの試合も楽しみになった。

来週からジュニアＧＰＳも始まり、９月のチャレンジシリーズから国際試合が始まる。

どんなすごいプログラム、試合が待っていることだろう。

早く９月にならないかな。。。