ゆづロスの今こそ、フィギュアスケートの研究をしたいと思います!
羽生君情報がないのは、便りがないのは良い便りということで、ここは、素直に世界選手権を楽しみにいたします。
最近、この前の記事で少し触れました、「ファギュアの時間です」でスケオタのプル様ファンの編集者がおっしゃったお言葉が、オタク魂に火をつけております。
アレクセイ・ヤグディンの演技について語っていたところ…
「ヤグディンの演技は全方位に向いています。磁場が広いというか…見ている人をいつの間にか巻き込んでしまう、「共有感」があるんです」と。また、著者のさいきょーきかく(Y)さんも、編集者さんも、羽生君の演技について、「プルシェンコよりヤグディンに近い」「みんなを巻き込む共感型」と語っています。
同じではないけど、傾向としては、ヤグディンに近いと。
これは、私もそう思っていましたし、ソルトレイク前後を知るネット上の少なくないゆづファンがそう思っているのを目にしました。
羽生選手の演技を見たとき、具体的にあの振りの部分は、とか、役作りが素晴らしくて…という感想にはあまりならないと思うのですが、彼の周りに広がっていく磁場のようなものに共鳴しているので、演技の細かい部分に感動しているわけではないように思います。
いわゆる演技派というわけではなく、羽生選手がつくりだす、空気感、心から放たれる情熱、エナジーが会場全体に満ちて、見ている人の心と共鳴するというか…過去を想起したり、様々な感情がわきあがっていく。理屈じゃないのですよね。だから、なぜあんなに衝撃を受けるのか、なんでこんなに忘れられなくなるのか、訳がわからないし、語りたくなるのでしょう。
まだまだ伸びしろはあるし、完璧というわけではないけど、そんなものを飛び越えていく魔力があると思います。
やっかいな人です(^。^;)
そして、ヤグディン。
彼がこれほど引き合いに出されるには、それ相応の理由が汗。
長野オリンピック以降、ソルトレイクまで4年もの間、主要な大会ではヤグディンとプルシェンコしか優勝していないのですwwこれがどんなに特別なことか、今シーズンの大会を見てもわかると思います。
そしてなんといっても、ソルトレイクオリンピックでの、ショート、フリー、エキシビションに至るまでの神演技。
たくさんの男子シングル選手がいましたが、それ以前にもそれ以降もしばらく、これほどの存在感、技術、表現力を持っている選手はいなかったように思います。
また、本田武史さんも、ワールドフィギュアスケート91号で、ヤグディンのことを、「圧倒的なオーラを持っていた。ヤグディンは動物で例えればクマみたいな感じで存在感が大きい。試合で集中しているときは、怖くて近寄れないほとでした。…実際、ソルトレイクのフリーの最終グループはものすごい雰囲気でした。…とくにロシアの3人はすごい存在感で、ぼくもここで呑まれたら負けると思い、一歩前に出るようにしていましたが、それでも恐ろしかった。」と。
他にもいろいろ、当時のことを語っていておもしろかったのでオススメです~。今の男子シングルと同じ状況だったことをうかがわせます。
この2人がいたから、4回転を3回入れないと勝てないと思ったことなど。
ヤグディンの磁場が広い、見ている人と共有感を生む演技というのは、どんなものだったのか、ちょっと動画を探してみました(^^)
○ソルトレイクシティオリンピック 男子シングルSP「ウィンター」
○ソルトレイクシティオリンピック 男子シングルLP「仮面の男」
○2001世界選手権 男子シングルSP「革命のエチュード」
※2002ソルトレイクシティオリンピックのための大事な枠取りの大会でした。
実は世界選手権中に足をケガしています。その状態でのこの演技、ステップ!荒々しさがたまらない。綺麗なだけのステップはつまらないと思わせてしまう。
解説のスコット・ハミルトンの「どうやって彼の心をさらけだすか見てください。」にうまずきまくり。
そして、強力にプッシュしたいのがこちら。
○2001世界選手権 男子シングルFP「グラディエーター」
ジャンプの転倒?何ソレ。
これこそ全身全霊の演技。ジャンプの転倒が複数回ありましたが、そんなことが気にならないくらいのパッショネイトな演技。観客の反応が全てを語ってくれています。ニースのロミオを思い起こします…。
あらためて見てみると、プルシェンコのようなアクの強さ(褒めてます)はなく、ナチュラル。
役になりきった表現で、会場のお客さんをポーズ、表情や目線で連れて行くという大ちゃんのようなタイプではないことがわかります。
ただ、演技全体に溢れ出す世界観,エネルギー…心が剥き出しで、彼の中にある強さ、弱さ、荒々しさ、繊細さ、情熱が演技を通して垣間見える。
役になりきる演技派というよりは、プログラムを通して「ヤグディン」その人を見ているかのよう。
スコット・ハミルトンが言うように、「心をさらけだしている」といいましょうか。
私には、彼がこちら側に魂をぶつけてくるように見える。
人は、どうしても大人になると傷つかないように仮面をかぶって生きていく。
しかし、ヤグディンの演技は、何も考えず、自分自身を100%に近いくらいさらけ出している(ように見える)。強さも弱さも…。
あの、会場で何千人ものお客さんがいる前で、オリンピックでは何億人もの人がテレビで見ている前で、出そうと思っても、それはなかなかできないことだと思う。
心をあけっぴろげにさらけ出すこと自体が滅多にないことで、それをあの緊張感の中、できること自体が才能なのだろう。
そして、それは、羽生選手の演技にも共通する部分があるように感じています。
子供のように、はだかん坊なその姿が、見ている人の心のドアをノックし、共鳴するのではないだろうか、と。
…やっぱり、困ったお人です(;^_^A
○羽生君の魂を感じる演技…ニースのロミオが代表格だと思いますが、こちらも素晴らしい♪
2012全日本選手権EX 「花になれ」
コメント
ふぅ~、動画全部拝見しました。
ヤグディンの表現、すごく斬新に感じます。
2001世界選手権SPのステップ、二度見してしまいました。
タラソワさんの感極まった表情も印象的です。
どうして羽生くんはヤグディンよりもプルシェンコだったのか・・・
プルシェンコは何を演じてもプルシェンコですが、羽生くんは天使にも悪魔にも、そう女神にも、テーマにより自在に変化できる表現者だと思います。
いいものを見せていただきました。
羽生くんもまだまだですね(偉そうに言っちゃった)
ちいこさん、ありがとうございました!
>スピカさん
あら~こんなコアなお話にコメントをありがとうございます(^。^;)
今見ても強烈ですよね!特にあのステップとかどうなってんの!?とか私も久々に巻き戻ししながら見てました。
心の内から沸き上がるようなものをきちんと表現しているのがすごいです。だから、すごく自然で。
私も羽生君は何にでもなれるなあと思ってました♪性別も年齢も、人間以外のテーマでも世界観を作り上げられる才能があると思います。
プルシェンコは何をやってもプルシェンコwwほんとにwwプル様ファンでもありますが、存在そのものが強烈すぎて、もうそっちに目がうばわれちゃう(^^)
羽生君がプル様にいったのは、たぶんヤグディンがソルトレイクの後すぐに引退したのと、プル様ってとにかく強い、ミスしない、精密機械みたいなのです。羽生君もプル様のことを話すとき、プルシェンコのようにミスをしないようになりたい(もちろん魅せる演技もあるのでしょうが)ということを度々口にしているので、強さが安定しているところに憧れているのかなと思っています。
それと、ヤグディンってけっこうアップダウンがあるといいますか(^。^;)波もあるし、弱い、繊細な部分もあるのです。かといって、ニースのロミオのように、大事な枠取りの大会では酷い怪我をしていても、絶対に諦めずに気迫の演技をしたりして。羽生君は、同族嫌悪じゃないけど、自分にないものを憧れる感じでプル様のファンになった部分もあるのかなあと思っています。
なんか、このヤグディンの演技を見ると、パトリックは好きなんだけど、やっぱり違うな(^。^;)と思ってしまいました。
羽生君もがんばれ~!
ちなみに、ヤグディンはもっと若いときは「ジャンプだけ」と言われていたそう(^。^;)信じられませんわ。
>ちいこさん
このコメントにも全くもって同感です!ああ、ちいこさんのこの表現力にいつもながら感心しきり。
特にプルリスペクトのくだりは、私も常々そのように感じていたの、オーサーの言葉もありますし、、、
ヤグディンの演技もこんな風にまとめて見られて凄く嬉しいです、ありがとう、ちいこさん!
>赤毛のアンさん
アンさん、コメントへのコメント、ありがとうございます(^^)
うふふふ、同意していただけて、うれしいです♪羽生君はよくプル様の強い部分を強調して言うことが多かったので、恐らくその部分に憧れて、そうなりたいのだろうなあと。
アンさんも、そう思われていたのですね~(^^)/
ヤグディンの演技まとめってあまりないので、私も一部分ですが、まとめられて、演技を堪能しています( ´艸`)
ジュニアは関東でしか放送されていないのが悲しいですね(; ;)
タイトル同様私のココロの扉も
ノックされました
ヤグディン共感型のくだり
前回より興味持って読んでましたが
今回の分析素晴らしいの一言です
自分を剥き出しで、さらけ出して…
ホント全く持って誰かさん
だからこそ
ほーっと見惚れる気持ちから
痛々しいまでの衝撃まで
幅広いものを
各自受け取ってしまうのですね
タイプが違うなと漠然と感じていた
系統の違うプル様への憧れも納得
ちょうどWFS本田さんの記事にも
現在に重なる部分を感じてたので
こちらの引用にも共感です
ヤグディン選手、まだまだ
詳しくなかった私
この記事をバイブルに
これから勉強させて頂きます
良い記事ありがとうございました
私はヤクディン派だったので、どうして結弦くんがプル派なのかいまいち理解できないんですね。自分にないものを見ていた、と解釈すればいいんだ。納得です。
ヤグディンは、ミーシンの元を離れてタラソワさんのところに行って良かったですよね。タラソワさんなのに、ウインターも仮面の男も、奇跡的に衣装も良い。振り付けはモロゾフでしたっけ??
2001年のショートは初めて見ました。素晴らしいステップです。ありがとうございました!
ちいこさんの記事
いつも楽しみにしてます
ヤグディンについては、気になってはいたのですが、こうして紹介してくださって動画を見てお勉強になりました。
最後の動画が鳥肌ものでした
まさに、むき出しの
ニースロミオを彷彿させますね
2012年の花になれも
今とは違いますね~
剥き出し感にじーんとしてしまいました
でも、オリンピックの1年ちょっと前ってことですよね~?
体型や表現力の成長を感じました
>えみさん
えみさん、コメントをありがとうございます(^O^)えみさんの心をノックしましたか?だとしたら嬉しいです!
心がダイレクトに伝わるのでしょうね…それだけの心のパワーと情熱とそれを伝える表現技術がないと、しようと思ってもできないことだと思います。心を見せつけられた私達は、自分達のその時々の状況・感情でそれぞれ受け取ることになるのでしょう。
そのため、彼が語った物語が、観客の、自分自身の物語になっていくのだと思います。ニースのロミオ、ソチOPがまさにその典型のような(その後の中国杯、2015GPF落ちの方も多いそうで)
えみさんも、本田さんのWFSの記事が面白かったですか!?あれは、単に過去のお話ではないところが面白かったですね!心理的な駆け引き、飛び抜けて高レベルな選手がいると(今は羽生君、ハビなど)、フィギュアスケート界がどうなっていくか、という過去の例として、ソルトレイクの時代のお話は興味深いです。恐らく同じ道をたどるのでしょうから…。だから、皆、無理しないでケガには注意してほしいです(>_<)
ヤグディンは、もうネットでしか動画が見られないので、自分でもこうしてまとめて見られて、ページをつくって良かったです。
いつもありがとうございます(^O^)
>すばるさん
すばるさん、私もソルトレイク時代…いや、今でも演技の好みはヤグディンなので、なぜ羽生君はこうもタイプの違うプル様が憧れなのか…と思っていたのです(;^_^Aインタビューで度々プル様の強さとかミスしないところとか言っていたので(あと町田くんの尊敬するところで「昨シーズンミスしなかったこと」と答えていて「そっちかよ!」とツッコミ入れたくなりました)、なるほど~あのミスしない演技、安定した強さが憧れなのだな~と思いました。
ヤグディンは、タラソワママのところに行って本当に良かったですね!プログラムもいいですしwwミーシンのところはなぜいつも変わったプロなんでしょうか?ウィンターはタラソワとモロゾフの共作、仮面の男はモロゾフさんです。
2001の革命のエチュードのステップは、もうすごすぎて笑うしかないですね(^O^)
>ryomayuさん
ryomayuさん、いつもいいね!をありがとうございます!記事も楽しみにしていらっしゃるとか…たまにしか更新しないのですが(3月は特に汗)ありがとうございます(^O^)
2001世界選手権のグラディエーターは、あの剥き出し感が本当に感動的で…今見ても、鳥肌が立って、一人スタオベをしてしまいます。3回くらいお手つきや転倒があったのに、総スタンディングオベーションを受けるとは、なんという演技でしょうか(;^_^A
本当に、ニースロミオを彷彿とさせます~。
2012の花になれも、トロントに行った最初の年で、震災があってからまだ1年数ヶ月しかたっていないので、このプログラムに対して、より濃密な気持ちがあったのかもしれませんね。
今は、もっと大人っぽく、洗練されてきていて、それもまた素敵♪
でも、彼の個性でもある、荒ぶる魂がたまにひょっこり顔を覗かせることがあるので(中国杯のファントムとか)、それを生かしつつ洗練されたプログラム、というのも、特にオリンピックイヤーで見てみたいという夢を持っています( ´艸`)
2015年の今観ても、ヤグディンはすごいですね!よいまとめありがとうございます。見直すと、すごい正統派イケメン(笑)
ブログとかツイッター等ではよく「羽生くんはプル様よりもヤグディンの方に似ている」と書いている方がけっこう多い感じもします。
言いたいことはわかります~。
ヤグディンと全盛期のジョニーが混ざっている感じがします。
金メダルを取ってもなおさらに金メダルを狙うあたりは、プル様のメンタル的なものも感じます。
ヤグディンとジョニーは、何か正反対のようなもので交わることがないものという感じがします。それなのに羽生くんを見ると、それらの雰囲気がうまく交わっているみたいな・・・不思議な感じの印象です。
>starさん
ヤグディンの演技は、古くなるどころか、新採点方式の演技になれきった目から久々に見ると、凄みを増して見えます。こんなに凄かったんだwwと今更ながら感嘆します。グラディエーターの途中で腹ばいでズサーと滑る振付などは、今の採点方式では、振付師は躊躇してしまうのではないかなと。ジャンプもスピンも繋ぎも旧採点方式よりもはるかにレベルが高く・難しくなっていますが、反面、振付は平均的・没個性的になっているような印象があります。
おお、starさんは羽生君にはジョニーも混ざっていると!確かに、遅ればせながらジョニーをアイスショーで初めて見た時、羽生君はこういう演技をしたいんだろうな、と思いました。
ヤグディンが演技の核、ジョニーが表現、メンタルの一部がプル様(あくなき向上心、勝ちにこだわる超負けず嫌いなところなど)みたいな感じでしょうか?(←あくまで私の想像です(;^_^A)
ヤグディンとジョニーは確かに違いますよね、共通点といえば、表現する方向性は違っても、二人とも心の奥底から湧き上がるものを自然に表現している…というところでしょうか。
羽生君は多面性のある不思議なお人ですね(;^_^A。
>ちいこさん
旧採点も良いところ悪いところそれぞれありますが、たしかに新採点になってから没個性的になってますよね・・・。まぁ点に結びつかないことはやらないようにしていくと似たような感じになってしまうのでしょうけれど。
「ヤグディンが演技の核、ジョニーが表現、メンタルの一部がプル様(あくなき向上心、勝ちにこだわる超負けず嫌いなところなど)みたいな感じ」・・・まさに私が思っていたことそのままです★よくぞ文にしてくださいました(笑)
羽生くんは羽生くんであるので、ご本人はこういう言い方は嫌いでしょうけれど、今までのスター選手のいいとこどりみたいな選手だな~と思っています。
おまけに日本人なのに脚が長い!、頭の回転が早くては賢い!というすごいおまけ(?)まで付いています。
>starさん
新採点方式は、たしかに点数につながらないことはしないでしょうね汗。グラディエーターの腹ばいズサーも、あれをしている時間があったら、PCSをあげるためにステップ踏ませようと思うのではwwそれも良くわかります(;^_^A
あ、あの例えはあれで良かったでしょうか?良かったです~。
羽生君は羽生君ですが、スケート好きとしては、こういう連想お遊びをするのも楽しみ♪ですからね~。なぜか羽生君の場合は、日本の名選手のイメージが浮かんでこないのです。不思議ですね。体型が足長さんというのもあるのかもですね(;´▽`A“
>ちいこさん
例えバッチリでした!まさにそのままという感じですよ~。
そうそう、私も羽生くんは「国内の名選手のイメージよりは、海外の名選手のイメージが多い」とも書こうと思ったのですよ~。
海外の名選手のほうが良いとか悪いとかそういう問題でもなく。
>starさん
例えバッチリで良かったです!日本の選手は男子はもともと少なかったですからね…(;^_^A