今更ですが、ソチオリンピックのエキシビション。
羽生君のホワイトレジェンドは素晴らしかった。
最初短いかな?と思ったけど、見れば見るほど美しく力強い素晴らしい演技でした。
久々に移動ツイズル見たなあ。あれは羽生君以外ではあまり見ないけど、オリジナルのようなものなのでしょうか?
あと、衛星放送で見た2013GPSスケートカナダのエキシビションの「悲愴」も素晴らしかった。最後の方は「は、激しい…(汗)」と思うほど力と思いがこもった演技だった。
羽生君のプロは、菜々美先生時代のは有名な旧ロミジュリ、悲愴、ホワイトレジェンド、ツィゴインネルワイゼン、あのバーティゴと、見事に外れなし。見ていてしっくりくる。
カナダに渡って以降のプロ、ノートルダム・ド・パリ、パリの散歩道、新ロミジュリ、ドアーズ…パリの散歩道とドアーズはしっくりくるが、ノートルダム・ド・パリ、新ロミジュリは、いいんだ、いいんだけども、どうもしっくりこない。「惜しい」という感じなのだ。あと一押しという感覚をもってしまう。
どちらもディビッド・ウィルソンのプログラムである。
高得点をたたき出すプログラムを作ることで有名な振り付け師で、特にキムヨナさんとのタッグは、私もキムヨナさんの演技スタイルにぴったり合い、名作揃いだと思う。
しかし、羽生君とのタッグとなると…どうもしっくりこない。
新シーズンのプログラムは誰に依頼するんだろう?というのもそろそろファンとしては気になるところでもあるので、ちょっと理由を考えてみたいと思う。
まず、演技を見た印象から。
① 菜々美プロ
スカッとする。ぴったり。音のうねり。リズムがある。羽生君独特の印象的なムーブメントを取り入れている。儚い。力強い。
② ウィルソンプロ
流れるよう。滑らか。清潔さ。ムーブメントが大きい。ストーリー性。
次に、プログラムの特徴を自分で勝手に考察。
①菜々美プロの使用曲
ツィゴインネルワイゼン、パガニーニ、悲愴、ホワイトレジェンド、旧ロミジュリ
結構ピアノ曲、リズムに特徴がある曲が多い。ストーリー性は、旧ロミジュリ以外はあまりない。旧ロミジュリもストーリー性はあまり重要視していないように見受けられる。
ストーリー性というより音の質感、うねり、リズム感を振付で表している。特に悲愴を見ているとそれを感じる。ジャンプも何気に盛り上がるべきところに入れているので(ホワイトレジェンドのサビのジャンプ、悲愴の最初の4-3ジャンプなど)、見ていてスカッとする。これが重要かもしれない。
音・リズムの動きが振付に反映されており、「ここ盛り上がり!」というところで「盛り上がる振付」を入れてくる。
音楽で言えば美メロでキャッチーなポップスやロック。
実はバトル振付も同じタイプのように見受けられる。パリ散やエレジーはそう。
②ウィルソンの使用曲
ラ・ボエーム,ピアノ協奏曲(ガーシュイン)、007、ノートルダム・ド・パリ、アディオス・ノニーノ、あげひばり、シェヘラザード、死の舞踏、アララト、チャップリンメドレー、レ・ミゼラブル
YouTubeで他のプログラム見ると結構似たような振付多いんだな…と。音の動きに合わせて振付するのではなく、ストーリー重視。ジャンプは…入れて欲しいところに入ってないように思える。わざとか?審査員受けねらいなのか?だからスカッとしないんだな!うん。盛り上がるところで入ってないのよお!うん…やっぱり手の上げ下げが多いような(新ロミジュリでちょっと思ってたんだ…)。
顔芸が多いと聞いていて、そうだっけ?と思っていましたが、あらためて見ると確かに顔の表情で変化つけている振付があるプロ多いね。
メロディーには合わせているが、リズムはあまり重要視していないように思う。
だから、「どーん!」と盛り上がるプログラムはあまりない。
流れるように、滑らかなプログラムが多い。
タッグを組んで評価が高い、合っているのは、バトル、キム・ヨナ、Pちゃん。どの選手もスケーティングが素晴らしいことで有名。
ただし、大ちゃんのプログラムも羽生君もしっくりこない…。
ダイナミックで激しいプログラムは実は苦手なのかも。あとピアノ曲みたいに特にストーリー性がないようなのも苦手そうである。
比較すると、どちらも根底には美しいメロディーが流れているけど、菜々美先生は入れてほしいところにドラムやベースでアクセントつける感じ、ウィルソンはプログレッシブロックみたいに、美しく芸術的だけどいつの間にか終わって、聞いている方は少し欲求不満ぎみな。
あと、菜々美プロには、内面の棘、激情を表現する印象的なポーズ、動きがある。
ロミジュリの移動ツイズルで鳥のように腕を広げる動き、悲愴での何かを中に探しているかのように手を伸ばすポーズなど。
ウィルソンプロでは、あまりにも滑らかすぎて、羽生君の中にある獰猛さ、棘、悲しみ、儚さという激情を受け止めきれないのではないかと思ってしまう。
それにしても不思議なのは、フィギュアは内面が現れるスポーツだと思うのですが。
羽生君の演技からは、儚さ、透明感を感じる。
羽生君は強気・勝気・寂しがり屋と言われているらしいが(ほんとのところはどうかしらないけど)、儚さを感じる要素がないのですがwww。
もしかしたら、持病があることもあり、いつも死ぬんじゃないかと思うほど1回1回練習する、その覚悟が儚さを生むのかなと思ったりする。
羽生君を見ていると、「一期一会」という言葉を思い出す。
今日という日は二度と来ない、だから精一杯演技する…その姿勢が、この演技は今日しか見られないのだ、というのが観客に伝わり、儚さを感じるのかな。
というわけで、個人的希望では、来季のプロは
SP:ウィルソン FP:バトル EX:菜々美先生
にならないかなあ~と。
ほんとはロシアンの振付見たいのだけど、クリケットにいる限りはしばらく無理かも。
菜々美先生は、手始めにEXくらいそろそろ頼んでもいいのでは?と思ったので。
日本フィギュアスケート界にとっても、ミヤケンさんに次ぐ国際的な振り付け師になるかもしれないし、一石二鳥だと思うのですが。
そして、バーティゴに続く素敵プロをつくって、SPの振付師として返り咲くとか!
同郷の日本人だから、ロシアン振付より可能性あると思うんだけど~。
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