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羽生君の滑りの特質と伊藤若冲。

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おはようございます!
スケートアメリカ(日曜日は目覚ましをかけてはいましたが起きれずリアルタイムでは見られず)を見ていて、やっぱり私は羽生君のような感情やパーソナルなものが見え隠れしている、魂をさらけ出すようなスケーターが好みなんだな、と実感しました。
ネイサン君は軽快といえば軽快ですが、前回も書きましたけどとにかくネイサン君の感情等パーソナルな部分、このプログラムで何を表現したいのか?がどのプログラムでも伝わってこないんですわ。。。ライバルだから言っているんじゃなくて、ジュニアの頃からずーーーっと同じ印象でそう感想に書いてます、ワタクシ。
プログラムの枠内きっちり1センチ以内に収まっているんですよね。。。多分それができない、センスがないんじゃないかと(ジュニアの頃からずっとそうだし)。
トップであればあるほど、それって重要視されるんじゃないですかね。技術があるのは前提で、プラスアルファで何があるか、ということなんじゃないかな。かつてパトリックもPCSでトップ評価されつつ「かかし」とか「メトロノーム」と言われていましたからなあ、事実かかしでメトロノームでしたしw(スケーティングとジャンプはもちろん素晴らしいことは前提で)
TSLの翻訳を見かけましたが(基本TSLは信用していませんが)ほぼ同意。。。
ちなみにスケアメを見た感想では、ヴィンセント・ジョウ君のフリーは悪くはなかったけど、スケーティングはフラットだなあ、というのとプログラムが上体の振付が多いのがミーシャっぽくてローリー振付の方が合っているのではと思いましたん。SPは素晴らしかった。。。。と思ったら今見たら振付がジョシュア・ファリス君だったよおおおおおお!
来年はフリーもファリス君でいきましょう!うんうん。
話は戻りまして、
魂の演技系のスケーターって結構波があるタイプが多いんですよね汗。
そうは言っても羽生君は凄い成績を残しているのがまた凄いんですが。。。波があるのでなかなかトップの成績を維持できないスケーターが多いんですよね。
アメリカのスケーターではジョシュア・ファリス君、カムデン・プルキネン君、トルガシェフ君(ジャンプさえ決められればの選手No.1)がお好みです。あとジェレミー・アボットも好き。
元選手ではなんといっても色々問題発言はあってもヤグディンですなあ、羽生君はプル様系統というよりヤグディン系統だという人は多いですよね、私もそう思います。ヤグディンもめっさ波がある人ですが、ここぞの時の演技(ソルトレイクシティオリンピックやワールド)がとにかく凄い。
魂の演技系は
ヤグディン→はにゅ君→ジ・エンド  
ですかね!
この二人の共通点は閃きがある滑り。スパークとダイナミズムとスペクタクル、ですな。
氷の上に全てを投げ出して、見ている人を巻き込んで没我の境地に持っていくところ、ですなあ。
以前から書こうと思っていて下書き状態にしていたお話がありまして。
以前から羽生君の滑りは絵に例えれば伊藤若冲を連想させる、と書いていたのですが、
今年6月に放送されたNHK日曜美術館の「蔵出し!日本絵画傑作15選 三の巻」で伊藤若冲の絵の印象を語っていた言葉がそのまんま羽生君だなと膝打ちしたんですよなあ。
伊藤若冲の絵の特徴として、「全部描いてある」との評。
例えば、「群魚図」をさかなクンに鑑定してもらったら、全て実在している魚を忠実に描いていて、死んだお魚死んだ魚までも生きている魚と同じように情熱を注いで描いていた。
番組に登場した識者の評では、
茂木健一郎さん
「これだけ素晴らしい生きとし生けるものがやがて死んでしまう運命にある。若冲が一つ一つの色に込めた思いというのは生きることに対する祈りなのかなと
村上隆さん
「彼は本当に精進に精進を重ねて絵に全てをかけてきたからこそできていると思うけど、絵を描くことで生きることに精一杯自分自身を近づけるというか、本当に宗教的なというかな。そこまでしなくていいのに、という心の皮が薄いものを薄いままさらけ出しちゃうような、でもさらけ出さないと自分が生きている気がしないという。それを繰り返すことで自分がやっと生きているんだと確認してきたということが彼にとって一番重要なことだったんじゃないか。」
全ての命の先に自分の命を見つめている。
生きとし生けるものへの情熱が生み出した濃密な世界。
司会の小野正嗣さん
「この人は生きているものも死んでいるものも全く差別なく同じ眼差しを注いでいる人だと思うんですよね。
特に群魚図なんかは僕にはあの魚達は生きて泳いでいるようにはあんまり見えないんですね。
一応海の中の絵だけど、僕には水がなくて若冲の目は無媒介的に目の前にあるものを捉えているという。それはなんか他の花でも鶏でも凄いなと思って。そんな目は人間の目じゃないですよね。人間を超えていますよね。精緻な対象を的確に隅々までむらなく把握してしまう、捉えてしまう。
ある意味変なフィルターがかかっていない、それが崇高なものに感じられるということがありますよね。」
「神の視点に近いんじゃないかなと。あらゆる対象を生きていようが死んでいようが等距離に見つめているというか、差別なく、分け隔てなく、むらなく全てを抱擁している眼差しという。」
「だから若冲の絵を見ていると引き寄せられちゃうというか、いったいどうしてこんなことが可能なんだろうという驚きを常に感じますよね。」
「だから美しいんだけど美しさだけじゃないんですよね、見る方が自分を忘れちゃいますよね。ほんとに絵に吸い寄せられちゃって時間も場所も忘れちゃってそれこそ没我の境地になっちゃうようなところもあるんじゃないかと思います。」

「そこまでしなくていいのに、という心の皮が薄いものを薄いままさらけ出しちゃうような、でもさらけ出さないと自分が生きている気がしないという。」
「見る方が自分を忘れちゃいますよね。ほんとに絵に吸い寄せられちゃって時間も場所も忘れちゃってそれこそ没我の境地になっちゃうようなところもあるんじゃないかと思います。」

このあたりがずばっと羽生君にも当てはまると思うんですよねえ。
プログラム全部に平等の愛情を注いでいて、ジャンプも擬人化したり、スケート靴にも、猫にも、とにかく、生きているものも無機質な物品にもプログラムにも全部、全部フラットに愛情、思い入れがある。
ふつーの人、かっこつけている人は「そこまでしなくても」とか思っちゃうし、斜めに構えている人なんか小馬鹿にする人もいるでしょう。←ずばり自分自身は全力を出したくても出せない斜めに構えたアンチがこれね。
「そこまでしなくてもいいのに」
「カッコ悪い」
「馬鹿じゃない?」
と平々凡々人は思っちゃうし、できないんだよなあ、私も到底自分ではできないデス!
そして、横目に見つつもだからこそ、そこに痺れる憧れるう!なんですお。
若冲と同じでだからこそのあの魂の演技だと思うんですよね、自分の魂の薄皮部分もさらけ出しちゃうような。。。。
ちなみに若冲はひりつくように全てを書き尽くしていた若年時の絵もいいですが、晩年の絵も魂の薄皮部分を出しつつも力が抜けていて、でも生きとし生けるものへの愛情はフラットで良きですよ。。。このあたりも今年の羽生君の4CCのバラード1番の演技との共通点を感じますなあ。
羽生君はオーサーがインタビューで語っていたように、「自分のスケートは美しいのだ」と誇りをもってほしいなあ。
いやほんと二度と出ないです。
不世出ですよね、こんなスケーターは。。。。不在になればなるほど、フィギュアスケート界は思い知らされると思いますよ。
断言しときますぞ。
PS:今日は昨日届いた「羽生結弦の言葉」を読むのだ~!
アーリーリタイア生活を超エンジョイしています!w(ずっとじゃないお。緩く働きますよん~。)

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羽生結弦
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コメント

  1. セロテープ より:

    こんにちわー
    若冲さんの話、分かる!何故かウチに画集があるです。ミーハーだからブームの時に買っちゃいましたw
    ジャニオタでフィギュアに詳しくない友達と一緒にネイサンのショート演技観たんですけど、友達の感想が「あー、なんかカラオケで高得点出す人の歌みたいな感じねー」でしたw

  2. フミ より:

    ちいこさん
    ちいこさんが退職されてから、
    ブログがますます充実してきて、
    嬉しいです。
    手前味噌ですが、、、、。
    いつも深い視点からの考察なので勉強になります。
    さて、
    かねてより、失礼とは思いつつ
    ネイサン君の背中がとても気になりまして、猫背というわけではないけど、美しくないんです。
    背中が気になって、演技に感動できないんですよ!
    ジャンプ前の構えなんですかねえ?

  3. フミ より:

    若冲と羽生君
    完全同意ですよ。
    私も画集と複製の扇子ありまして、
    扇子は飾っております。
    細密画ではない、
    線が単純化した白象🐘の扇子なんですが、
    とにかく、筆の線が神々しい!
    羽生君の氷に描く線も
    きっと神々しいのでしょうね!
    私が生きてるうちに
    1度で良いから見てみたいです、、!

  4. ちいこ より:

    セロテープさんこにちは!
    伊藤若冲は今も人気がありますけど、一時期大流行しましたもんね!wうちにもあります~同じく美術館での展覧会が開催された時に購入しましたw
    若冲の絵を見に京都旅行に行った際に相国寺にも行きましたですよ~。
    ネイサン君のPCSに思うところはありますが(特にSS。。。サカサカしていて伸びないんですよね。)、何といっても退屈でおもろくない、というのが一貫した感想なんですよなあ、上手いんだろうけど、何故こんなに?と不思議に思うほど退屈なんですよ。プログラムの輪郭をきっちりなぞってはいるけど、中には入ってこない印象なんですよね。
    ずっと地味だ、面白くないと2015年くらいから書き続けているブログ主ですwライバルだからじゃない一貫した感想でおます。
    (こういう風に書くのは点数が高いからそういう感想を書くんでしょ!と言われそうだからですw)

  5. ちいこ より:

    フミさんこにちは!
    ブログのことありがとうございます!凄くうれしいです!
    少しの後悔は、平昌オリンピック以前からこのようにゆったりした生活ができていたら、真夜中に心置きなくライストで試合を見たり、ブログを書きまくってお返事も書いて、仕事の締め切りのことを始終心配したりw次の日にある行事の段取りで頭がいっぱいになった状態で試合やアイスショーを見ずにすんだのに、ということですわ。。。あー2年早くアーリーリタイアすべきだったな!と後悔ですわ。
    ネイサン君、失礼ながら同じく私もラインが綺麗と思ったことがなく。。。綺麗ですかね??ww
    膝もですが身体が固くないですかね?ですよなあ。背中と腕のラインが本当にバレエをしていたんだろうか?と思うほど柔軟性、まろやかさ、優美さに欠けるような気がするんですが。。。直線的といいますか。そのあたりもプログラムの面白くなさを加速させているような気がしますなあ、情緒をかもし出せないですし、抒情性は。。。
    まあ、リリカルな曲はすこぶる合わないとおもふ、少なくともショパンは合わないな、うんw(これずっと前から書いてますけど)
    ネメシスや海賊は良かったですけどね、ああいう曲はいいかもですね、とは思いますww

  6. ちいこ より:

    若冲と羽生君のこと、同意ありがとうございます!
    白象の扇子いいですね~若冲の白象の絵は有名ですよね♪
    一家に一冊若冲の画集!
    あの鍛錬に鍛錬を重ねたスケート・ジャンプの技術も若冲の画力と似ているような気がします~。
    >私が生きてるうちに
    1度で良いから見てみたいです、、!
    きっと宮城県にまたアイスショーが開催されると思います!!
    フミさんが見られることを切に願っています。。。

  7. ちいこ より:

    鍵コメントS様こにちは!
    お久しぶりでございます~去年の全日本以来でしょうか。。。
    ですよね、演技は羽生君の方がヤグ系統でネイサン君の方がプル様系統だと思います(カリスマ性はないですがw)。
    人は己にないものを求めるんでしょうなあ、羽生君がプル様を尊敬しているのって、確か強いこと、転倒しないこと、安定していることだったかと(汗)
    コーチに従順で上手く立ち回るのも同じかなあ(あんなにアクは強くはないですがw)
    ヤグのグラディエイターのようなプロもいいですよね、初代ロミジュリのような動的なプログラム。
    ブラックスワンやボレロも動的なプログラムになりそうでいいなあと個人的には感じています。
    ネイサン君に内に秘めた情熱。。。うーむなさそうですよねw
    軽快でダンサブルなものは合うと思いますが(ネメシスや海賊のようなプロ)それ以外は正直ちょっと??です。
    とにかくクラシック系統が合わない、というのは伝説プロを生み出すには痛いな、と思いますなあ。特にピアノ曲が合わないんですよね。。。これは本当に痛い、と思います。

  8. タルタルソース より:

    こんにちは。
    羽生選手の演技についての表現、首がもげるほどうなづいてしまいました。そうそう、魂の演技、プログラムという枠におさまりきらずにあふれこぼれてくる「何か」がある、それが魅力なんですよねえ。
    他の記事も楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。

  9. ちいこ より:

    タルタルソースさん、コメントをありがとうございます!
    お返事が大変遅れましてすみません汗。
    >魂の演技、プログラムという枠におさまりきらずにあふれこぼれてくる「何か」がある、それが魅力なんですよねえ。
    ですです、ポロポロこぼれてくる何ものかがキラキラ光っていて目をくぎ付けにしちゃうんですよね。不思議な方です。
    ブログ記事のことありがとうございます~♪

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