羽生君が見せるスケートのイメージ。
昌磨君が見せるスケートのイメージ。
日本が誇るトップスケーター二人のスケートのイメージ。。。。表現とは言わず、あえてイメージと書いてみました。
そうだなあ、羽生君の場合は、羽生君そのものもですが、残像が残るイメージです。
精緻な美と強烈なエネルギーで見ている人の心に念写するかのように残像が残る。
絵画でいえば何だろう?と考えて、ピンときたのが、千住博さんの「ウォ-ターフォール」。
この絵画は、ギャラリーでは水の音が流れていたりして、魅入って立ち尽くしてしまうほどの美しさを放つ絵画です。
ネットで探していたら、千住さんのこんな言葉を見つけました。
「それらは滝の絵であるとともに、まさに絵の具をたらした実際の滝なのです。豪快な水のしぶきや荒々しい筆致、そういう画面上に起こった現実が作品を構造的に支えていたのです。(略)その中には大きな時間の流れをも内包している。むき出しのエネルギーのようなものをただそこに示したかったのです。」
千住さんは学生時代、デッサンの鬼だったそうですが、その彼が、この滝を書く時は絵の具を上から垂らして描く技法をとっている。
単なる偶然ではないか?それは絵画と言えるのか?との問いへの回答が上記のものです。
表現とは何か?に対する見事なカウンターアタックではないでしょうか。
この言葉を読んだ時、痺れましたな!
まさに、羽生君のスケートそのもののようではないでしょうか?
だからこそ、羽生君は抽象的な内容のスケートがぴったり合っているし、本人も物語系は苦手だなあと自覚していたよね汗。
それぞれのスケーターの特性だから、いいと思うのだ。
なぜなら,カート・ブラウニングは当代一のエンターテイナーだと思いますが、そんな彼もホプレガやスワンのような演目はできないでしょうし、反対に羽生君には「雨に歌えば」のような演目は難しいでしょうしのうww
一方、昌磨君のスケートに対するイメージは、ワシはベラスケスですな。
ラス・メニーナスが有名ですが、こちらの絵の方を推したいわあ。
身体的なハンデを持ちながらも、この侍従(ハプスブルクの宮廷には身体的ハンディを持つ侍従や侍女がいた)の誇り高い心を見事に描きとっているこちらの絵。
演劇的でもあるし、ディティ-ルにこだわっているからこそ描き出せるものがある。
あと、昌磨君の滑りには「土」を感じますなあ。
羽生君は風と水です。
バンクーバー時代の滑りがお好きな方は昌磨君や大ちゃんなどがお好みかもしれないですし、
ロシアン好きはかなりの割合で羽生君好きですな(ワシがそう)。。。あとロビン・カズンズやジョン・カリーのファンも多い印象。
ワシは、どちらかが正統派、日本のスケート界はどうなるのか、というのは実にナンセンスだと思うのだ。
なぜなら、どちらも正統派じゃないからwwww
正統派というなら、カート・ブラウニング、ロビン・カズンズ、ブライアン・ボイタノ、アレクセイ・ヤグディン、最近ではジェレミー・アボット、ジョシュア・ファリス、日本では五十嵐さんがいわゆる正統派だと思うのですがのう。
日本のスケート界は異端児揃いですなw
日本男子と女子の最も素晴らしい系譜は、
3Aでしょう!
これは本当に大きな武器。
表現はみんな異端だから参考にならないと思うんですがねwwww
羽生君は、都築先生の系譜でテクニックは正統派だと思うわ~。
ああ、またまた時間がなくなってきてしまった。
ではでは。
コメント
異端なのは、日本人だからっていうのもあるでしょうね。人種の差とかね。。。
フィギュアスケートって西欧発祥のものだったワケであり、西欧人の考える表現がまだ今現在も主流ってところもあるでしょうね。まだ、日本人選手がメジャーになって10年くらいですしおすし。
日本人の演じるものは、どうしたって西欧人と比べれば正統派にはなれないかもしれない。だから日本人としての解釈で個性的に演じることが一つの道じゃないかなーと。
しょーまのスケート、ベラスケス!!なっとく!!!
…いつも思うけど、ちいこさんは絵画に置き換えるのうまいわー
レンブラントでもありませんか?w あ、、、バロックなのかな。。。
この暗い背景にほのかに明るく浮かび上がってくる感じ。人間の内面があぶりだされていく感じ。。。確かにしょーまのスケートは、こういうイメージだわw
ゆづのスケートは、良くも悪くも肉味がないw
肉味を出そうとしようとすればするほど、ビミョーな感じになるような、、、
…ゆづのジャンプは余分なものがそぎ落とされた美しいものですよね?
ゆづはその余分なものをそぎ落とした不変的な美の追求をしていった方が、彼のスケートは際立つんじゃないかなーと思い候。。。
さ、ワシも寝まーす!
寝付きが悪くてついこちらにwwまたまた興味深い考察をありがとうございます!
はにう君は風と水・・・・私、はにう君の演技を観る時、個体(人体)というよりエネルギーをみている(感じている)感覚に陥るので、わかる気がします。そして私もはにう君しょま君、そして髙橋君も異端だと思います。だからこその魅力もあるんですが。
ところで、
twitterでたまたま、広く浅く長く熱くフィギュアを観ていらっしゃる男性スケオタさんが、はにう・しょま・Pチャンの演技を食に例えて現していらっしゃるのを見つけたので、こっそりご紹介しますね(ファンブログはご覧にならなそうなので多分大丈夫)
はにう君『良くできた幕の内弁当を思わせる。 脂の乗った銀ジャケ、丁寧に焼き上げた卵焼き、ほっこりとした煮物などのおかずがこれでもかと詰まっている。ご飯は少し固めに炊いた粒のたったコシヒカリ。箸休めの香の物にはしば漬けの赤、沢庵の黄色、野沢菜の青と目にも面白い。』
しょま君『弁当っていうよりむしろ、試合毎にどんどん未知のスパイスが足されていくカレーみたいな感じ。 クセはあるんだけど一度食べ始めたらスプーンが止まらない。』
Pちゃん『もちろんラーメンだ。 深い味わいのスープは鶏ガラとトンコツとの合わせダシでマリアナ海溝より深い味わい。麺は昔ながらの縮れ麺だが絶妙な寝かせ具合と神技の如き湯切りで完璧に仕上がっている。 チャーシューはいっぱい乗せるのがトレンドだから仕方なく3枚乗せてる。』
チャーシューはジャンプwwwwwwww
はじめまして。
実はいつも、とても興味深く拝見させていただいております。ありがとうございます。
個人的に、羽生くんは「伊藤若冲」だと思っております。
ひときわ緻密な技巧の上に成り立ちながら、一般市民を5時間並ばせる求心力・・・
西洋でないところ、華美なのに性のないところ、「鳥」なところまで。。。
ゴッホが浮世絵に恋したように、世界を落としているんだと思います。
宇野くんに関しては全く同意。彼には重厚な油絵がぴったりはまると思います。
突然、失礼いたしました。
> はじめまして。
> 実はいつも、とても興味深く拝見させていただいております。ありがとうございます。
>
> 個人的に、羽生くんは「伊藤若冲」だと思っております。
> ひときわ緻密な技巧の上に成り立ちながら、一般市民を5時間並ばせる求心力・・・
> 西洋でないところ、華美なのに性のないところ、「鳥」なところまで。。。
>
> ゴッホが浮世絵に恋したように、世界を落としているんだと思います。
>
> 宇野くんに関しては全く同意。彼には重厚な油絵がぴったりはまると思います。
> 突然、失礼いたしました。
はじめまして、みかんさん、コメントをありがとうございます!
(もしや私の知っているみかんさんでしょうか。。。違っていたらごめんなさい汗汗)
伊藤若冲!
実は今回ウォ-ターフォールを題材に書きましたが、以前、若冲に似ていると書いていたことがありました!
まさにまさに~♪
> 西洋でないところ、華美なのに性のないところ、「鳥」なところまで。。。
そうですよね、華美なのに無性(中性とは違う)、まるで曼荼羅絵のように思える時があります。
世界の人にとっては、なんだこりゃ?でいつの間にか魅入ってしまうのかも。
昌磨君は油絵ですよね。
ありがとうございます!