継がれるもの。〜2015スケートアメリカ二日目〜

２０１５スケートアメリカ２日目。
早朝、女子シングルからライブストリーミングで見ていました。
ペアも、アイスダンスも女子シングルも素晴らしかったですが、私的本日のハイライトは、男子シングルＦＳでした。
それは、最後に書こうと思います。
○２０１５スケートアメリカ総合結果
○ペアＦＳ
・スイハン「サムソンとデリラ」
未来のオリンピックゴールドメダリストおおおおお！

転倒はあったけど、すんばらしい！
この風格、技の一つ一つのダイナミックさ。
アジアンならではの繊細さ、叙情性。
３スローサルコウはＧＯＥオール＋３。
コレオとインで高い評価が出ているのがうれしいです。
これはいいプログラム～。
見ていて、素晴らしさのあまりに涙が。。。
デュハラドより、やはりスイハンの方が好きだな。。。
○女子シングルＦＳ
今井遙「恋人達の夢」
衣装美しす。
後半ばててたけど、表現は丁寧で美しかった～。
中塩みゆ「シェヘラザード」
後半ばてちゃった。。。元気いっぱいのシェヘラ姫。
今後優雅さが出てきたらもっといいね！
アレイン・チャートランド　「風と共に去りぬ」
３Ａは転倒したけど、ナイスチャレンジ。認定されました～。
ジャンプが不調だったけど、次につなげられればいいな。。。
キスクラで泣いてました泣泣
ユリア・リプニツカヤ「レニングラード」
ジャンプが。。。うう。
世界観は出ていたと思うの汗。
スピンにも若干体型変化の影響が出てる？いつもとれていたレベル４と加点も３がずらりとならんでいたのが、なくなってしまってます～汗。
カレン・チェン「レ・ミゼラブル」
視線の使い方がいい。
ジャンプの幅、高さが相変わらずいい！
スパイラルが美し～彼女はスパイラルとスピンもゴージャスです。
宮原知子「ため息（リスト）」

ああ、やだわ、動画を見てたら涙がでちゃったわ。
ひたむきさ、可憐さ、純真さ、さっとんのいいところがいっぱい引き出されるプログラムだと思う。
ＪＯよりも動きも大きくなって、さらに良くなっているんじゃないかな。
ＰＣＳもコレオ、ＩＮともに８．１１とまずまずの評価。
３Ｆに！と回転不足、３Lzも転倒もあったけど、回転不足もあったから、それがなくなれば、もっともっと評価は高まると期待します！
ＧＧ「火の鳥（ストラヴィンスキー）」

最初の３Lz＋３Ｔの高さ、幅は完璧。
火の鳥のプログラムは、骨太な表現をするＧＧにぴったり。途中のガニ股も消えてなかったww
これからもっと良くなっていくでしょうね。。。全米、世界選手権が楽しみです！
ＧＰＦでも見てみたい！
６人ってなんて狭い枠。。。
ゆづ友さんとも言っていたけど、羽生君のＳＥＩＥＩのガニ股といい、ＧＧのＦＳガニ股といい、さっとんのＳＰのガニ股といい、ガニ股はやり？
しょーま君ＦＳのクリムキンイーグルもある意味ガニ股w
エフゲニア・メドベーデワ「映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』より」
タノってる！
いえ、タノはいいのですが、回数があまりにも多いのも、ちと。。。
ＧＧがマラジェッツな演技をした後にリンクインしたメドベたん。
すごい表情でした。闘志に溢れていました。
そのとおり、ジャンプはほぼ成功。各ＧＯＥも高い。
流れるような演技だけれど、あと一つ、彼女の感情、パーソナルな部分が出てくると、もっといいような気がします。
凄いのはわかるけど、なぜか今ひとつ印象に残らない。
反対に、同じエテリ一門のジュニアのツルスカヤは、初戦から鮮烈な印象があるのだけれど。。。
ＰＣＳはすでに８点台半ば！シニアデビューでこれって。
会場で見たら印象が違うのかもしれません。会場で見られた方がいたら、ぜひ感想を聞いてみたいな。
○男子シングルＦＳ
今日の男子シングルは、素晴らしい演技の連続でした。
変わりたい、自分を解放したい、という強い気持ちと、努力の成果が着実に表れた、そんな演技がありました。
そう。
だから、試合を見るのはやめられない。
努力する姿は美しい。
特に、第２グループの演技の流れは最高でした。
印象に残った演技のみ、感想を書きたいと思います。
・アディアン・ピトキーエフ　「映画『ミッション』より」
マリナ・ズエワ振付。
ズエワさんのところで振付・手ほどきを受けてから、生まれ変わったよう、とコーチが語っていたアディアン君。
以前のアンドロイド感は消え、やわらかな手の動き、感情を出してこられるようになったように思う。
最初の４Ｔ＋３Ｔ，根性でこらえた２回の４Ｔは美しかった。
３Ａが開いてしまったのが、点数がのびなかったゆえんだったね。おしかった。
でも、確実に進化してる。変わりたい、という強い気持ちが伝わってきました。
アディアン君の物憂げな雰囲気にあった、よいプログラムだと思います。
次の試合で、さらにいい演技ができることを期待してます！
・宇野昌麿　「誰も寝てはならぬ」

アディアンが終わって、祈るような気持ちでライストを見守る。
画面が固まりませんように！
いつも以上に素晴らしいスピードのスケートで滑り出す。
最初の４Ｔ成功、次の３Ａの幅におったまげる。
まるで、初陣を飾る若武者のよう。
着氷がつまりながらも、次々にジャンプを決めていく。
ここで決めるんだ！という気持ちが伝わってくる。
初めてしょうま君を見る、アメリカの観客の方々がひきこまれていくのがわかる。
最後の３連続ジャンプを決め、コレオに入ったあたりから、ジャパンオープンの時のように鳥肌が立ちはじめた。
動いている、体がよく動いてる！おまけに歌っているw
リンクを縦横無尽に駆け抜け、フィニッシュに突っ込んでいったしょうま君に待っていたのは、シニアデビュー戦にして、異国の地での総スタンディングオベーション。
途中から腰を浮かしている方もw
まさに疾風怒濤の初陣でした。
やってくれると思っていたけど、本当にやってくれた！
君は凄い。点数は１７６．６５点のハイスコア。
シニアデビューにかかわらず、ＰＣＳは平均して８点台半ばに達している。ジャパンオープンの評価はまぐれではないことを証明してみせた。
ブラボー！
このときは、しょーま君が優勝と信じて疑わなかったのでした。。。
・マックス・アーロン　「映画『ブラック・スワン』より」　フィリップ・ミルズ振付

最初は「ブラック・スワン？アーロン君は滑りこなせるのかな？」と思っていました。
それが、こんなパワフルなプログラムになっているなんて。
さすが、フィリップ・ミルズ。音楽の編集も抜群。
また完成形ではないですが、アーロン君がさらに努力を続けるなら、シーズン終盤には素晴らしいものになっていると感じます。
実は、この大会で、ライストをみながら涙ぐんだのは、マックス・アーロン君だけでした。
以前と違い、スケーティング、ジャンプの軸、こころなしか体型もかわってきたような君がします。
ミルズ先生は、バレエの基礎から、また、スケーティングはコンパルソリーからみっちり練習させる、と聞いているので、その成果でしょうか。
ちゃんと音楽を感じて演技している。
ジャンプを次々に決め、TESカウンターは応援しているしょーま君に迫っていたけど、いっけえ！と自然に涙が出てきました。
最後は、白鳥の湖の重低音のメロディーにのり、ジャンプ、スピンをたたみかけるアーロン君に、町田君の姿を重ねていました。

奇しくも、昨年、町田君が優勝したスケートアメリカで飛んだ。
町田君のように変わりたいと、ミルズ先生についていくことを決めたアーロン君の、見事な飛翔でした。
音楽の解釈はまだまだかもしれない。
でも、確実に進化したアーロン君の姿に胸が熱くなりました。
結果は、約１点差での、アーロン君の勝利。