何を今更シリーズ③　ソルトレイクオリンピック時代振り返り。

羽生結弦くんの原点といってもいいオリンピック。ソルトレイクシティオリンピック。
ソルトレイク前後の時代。
それは、４ー３ー３の３連続コンビネーションなら金、４－３－２なら銀、４－３なら入賞？４－２ならＹＯＵ負け犬よ、という実に鬼畜な時代であった…。
技術的には最高の水準だったというこの時代、まちがいなく、この一種異様な数年間をつくりだしたのは、有名なヤグＶＳプルのデッドヒートが原因だった。
この時代を知ってフィギュアにはまった人は、伊藤みどりさんのジャンプが基準になって男女シングルのジャンプに満足できなくなってしまったみどりファンのように（←これ自分。）その後のゆるいフィギュアの世界に満足できなくなったのである。
特に、バンクーバー…ライサチェックは身長高いし、ルールに沿ったプログラムをつくったわけですからそれはそれでいいのですが、やっぱり、「闘い」がないと、満足しないのですよ(＞_＜)
あの血が滾るような闘いワンスモア、と思っていたところに、羽生君が登場！
これから。平昌オリンピックまでの４年間、羽生君が、男子シングルフィギュアスケートの世界をリードしていくことでしょう。
ただ、高難度の技が増えていくと、選手のケガが多くなることが心配…。
ソルトレイク前後に活躍した選手は、皆なにかしらの故障を抱えて引退しましたから、どうかゆづ君をはじめ、選手の皆さんには体をいたわりながら練習していただきたいです。
そうは言っても聞かないとおもうけどね！
ね、ゆづ君！
インタビューで、「みんなで強くなってフィギュアスケートを盛り上げたい」と語っていた羽生くん。
恐らく、そのベースになっているのが、ソルトレイクシティオリンピック。
ヤグディンとプルシェンコの対決を見て、オリンピックに出て金メダルをとりたいと語っていましたが、わずか８才の時に見たオリンピックのどこに魅力があったのかな？
すでに12年経過していますが、私も、トリノ、バンクーバーよりも、鮮やかに記憶の残像が残っています。
プログラムは今のものと比べてスカスカではありますが、６．０時代の自由さと豊さがあるなあと。プルとヤグのデッドヒートもそうですが、テケシやティモシーやアブトもすごかったよね！というわけで、何がそんなにゆづ君やスケオタの皆さんや自分を熱狂させたのか、素人の乏しい記憶とネット情報（笑）にて振り返ってみようかと思います。
…単に自分がソルトレイクってどうだったっけ？と知りたいだけなんですけどね(^O^)
○　ソルトレイクシティオリンピック　男子シングル
１　アレクセイ・ヤグディン（ロシア）　　　ＳＰ１位　　ＦＳ１位
　　ＳＰ「ウィンター」　（Anna Toropova様作成動画）
　　

　　ＦＳ「仮面の男」　（adoreyuna様作成動画）
　　
　　【ジャンプ構成：4T-3T-2Lo，4T，3A，3S，3Lz，3Lo，3F】
　　4回転２回，うち１回は３連続コンビネーション。3回転は全て種類が違う！
　　ＥＸ「メモリアル（マイケル・ナイマン）」（analgin13様作成動画）
　　
　　ＳＰからＥＸまで全て神演技。これで２１歳かよ…。
　　特にＥＸでの男性としての色気たるや…。当時このＥＸをテレビで見てキャーキャー言ってたの思い出すわ。
　　いいえ、ゆづ君は、さわやかな色気だからいいの！
　　股関節の故障のため、同じ年の世界選手権で金メダルをとり三冠となった後、引退。
２　エフゲニー・プルシェンコ（ロシア）　　ＳＰ４位　　ＦＳ２位　
　　ＳＰ「マイケル・ジャクソンメドレー」　　
　　　　
　　ＦＳ「カルメン」（通称　やけくそカルメン）（vera panina様作成）
　　※画質はちょっとあれですが、６分間練習と暑い夏にピッタリ！なブリザードメダルセレモニー有り。
　　
　　【ジャンプ構成：4T-3T-3Lo，4T，3A-3F，3A，3Lz，2A，3S 】
　　4回転２回、うち１回は３連続コンビネーションでしかも4-3-3。何気に3Aも2回です。
　　こちらも3回転は全て種類が違いますね汗。すごいよ…。
　　鬼。
　　ＥＸ「カルメン」（1976kakashi様作成動画）　
　　アイスショーを見てびっくりしたこと。プル様、あの満身創痍の身体だというのに、ついに一度もジャンプで転倒しなかったこと。ソルトレイクオリンピックの頃も、実に８年間ジャンプで転倒したことがないという話もあって、だからこそＳＰでの転倒は「まさか！」でした。
　　実はショートはテケシ先生が2位！です。スターウォーズに割って入るとはすごすぎΣ(ﾟдﾟ;)。
　　今見ても、カルメンの気迫は恐ろしいほどです。
　　いや～この映像見ると、ゆづ君がしびれる理由がわかりますね。
　　でも、ソルトレイク時の私はヤグディンにしびれてましたけどね！
　　
ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟここから下が人間界の闘い ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ
３　ティモシー・ゲイブル（アメリカ）　　ＳＰ　３位　　ＦＳ　３位
　　ＳＰ「死の舞踏」（3Axel1996様作成動画）
　　ＦＳ「パリのアメリカ人」（3Axel1996様作成動画）
　　
　　【ジャンプ構成：3Lz、4S-3T、3A-2T、4T、3A、4S、3F、3Lo】
　　4回転３回。しかも後半に４Ｓ。３回転は全て種類が違い、3Aも2回入ってます。これでＳＰ、ＦＳとも３位って…しかもフリーは３Ａでステップアウトしたくらいでほぼミス無しで３位っすよ。泣けてくる…。
　　ＥＸ「フリーダム」
　　これぞ、クワドキング！公式戦で初めて4回転サルコウを成功させ、フリーで４回転を3回成功させたそうです。4回転が実に軽やか～。ジャンプの助走も短いわ。
　　やっぱり、ジャンプ得意な選手の体型って、縦に細く長いですね。
　　これが、長野やトリノやバンクーバーだったら、金メダルだっただろうに。
　　でも、現行採点方式では、スピンのレベル取りが厳格化して、荒川さんでさえ苦労したらしいですから、どうなったかわからないですね。ブライアン・ジュベールは、スピンが本当に苦手らしいし汗。この選手もコーチがフランク・キャロル。名コーチですな。振付師はローリー・ニコル。
４　本田武史（日本）　　　　ＳＰ　２位　　ＦＳ　４位
　　ＳＰ「ドン・キホーテ」（hayatan999様作成動画）
　　
　　ＦＳ「アランフェス協奏曲」（3Axel1996様作成動画）
　　
　　え～テケシ先生は、いまいち（私にとっては）萌え要素がなく、当時も現在もスルーぎみだったのですが、６月のＴＯＩでテケシ先生の滑りとイーグルの美しさに開眼しまして、最近動画なども見つつあります。
　　きゃー動画見て、お素敵、見惚れた☆アランフェスのイーグル最高о(ж＞▽＜)ｙ
　　ショートすごい！しかもあのヤグディンの後であの演技。ジャンプほぼ助走なし、ステップも凄いですね。これは２位になるのも納得です。
　　フリーもミスと言えば４回転のステップアウトのみ。滑りが美しいし、ステップもいい。これで４位か～厳しい。
　　あと、テケシ先生はフリーレッグが美しいですね、荒川さんもですが。
　　だから、動きがエレガント、美しく見えるわ。
　　仙台の先生方はその辺、小さい頃からきちんと基礎を押さえているような気がします。
　　（逆に、名古屋あたりは独自色が強すぎて基礎を少しおざなりにしているのではないかと思う時がある汗）
　　それにしても，仙台の地は素晴らしいです。男女金メダリストに、宇宙大戦争に割って入ることができる地球人代表（笑）まで生み出したのですからっ。
　　テケシ先生の動画、もっと見たくなったな～o(^▽^)o
５　アレクサンドル・アブト（ロシア）　　ＳＰ　５位　　ＦＳ　５位
　　ＳＰ「Artsakh（アラ・ゲヴォルギャン）」（SergR75様作成動画）
　　ＦＳ「ピアノ協奏曲第2番、第3番（ラフマニノフ）」←これすごく好き！たぶんゆづ君ファンで悲愴やパガニーニ好きの人はたまらんかも。
　　（SergR75様作成動画）
　　
　　王子様。ノーブル。宇宙人２人がいたために成績には恵まれなかったけど、美しいお顔立ちと体型、上品な演技で特に女性に大人気だったお方。
　　ＦＳのラフマニノフピアノ協奏曲、ゆづ君にこれしてほしいのよ～！みどりさんがリレハンメルで演技したフリーのラフマニノフも大好きなんだけど、こちらは第3番の最終楽章が使われているのが珍しいですね。今見ても、ＳＰ、ＦＳとも振付の質が高いな～。
ラフマニノフ、あんなに使われているのに、オリンピックで優勝した選手がいないのですよね。
彼は、今の採点方式だったら、もっと評価が高かったかもしれない。
旧採点方式は、事前の印象（格付け）がジャッジの採点に大きく影響していたと言われているし。
でも、ま、確かにあの２人に比べて上回るかといわれれば、そうではないけど…。
時代が悪かったとしかいいようがないですね(＞_＜)
　　ついでに、ラフマニノフつながりで、みどりさんのも貼っとくわ。
　　最初の３Ａは失敗したけど、特に後半の３Ａの高さ、タイミングとも最高です！
　　伊藤みどり　リレハンメルオリンピック　
　　ＦＳ「ラフマニノフピアノ協奏曲第２番」
　　アンビリーバボ～うわあああ！今見ても鳥肌たつ－記事書きながらスタオベしてしまった～！たぶん、今の採点方式だと金メダルですね。この時は、体型が…だの、表現力が…だの言われてましたが、なんの、このジャンプの入りと着地の音楽とのシンクロ、ステップもスピンも音楽とドンピシャです！やっぱりゆづ君と似ている部分がありますね、そしてスケートのスピードたるや、リンクの文字が読み取れないほど。
　やっぱり、ソルトレイクはこうやって映像を見ているだけで気持ちが高揚してきますね。　バンクーバーのを時々見てみるときがあるけど、手に汗握るような緊張感がないのよね汗。（選手は緊張していると思うけど）
　やるか、やられるか、という緊張感がね！
　そして、このジャンプ構成の鬼畜さ。
　通常の競技会ならまだしも、オリンピックで４－３－３とか、４－３－２とか、４回転を３回とか（ハビもしているけど）それでも優勝できないとか、この競争の激しさよ。
　こういう、アドレナリンが出まくりの大会を見ると、「超負けず嫌い」のゆづ君は、いつかこういうみんながギリギリの力を出し合うような大きな大会で滑りたいと思うでしょうね。
　ソチもそうだったけど。
　でも、トップに立ったゆづ君が持っているチャレンジ精神によって、４年後はもっとフィギュアスケートは楽しく、美しく進化していることでしょう。
　
　パトリックは好きだけど、パトリックはみんなで競い合いたいというタイプではないからな～(￣_￣ i)負けず嫌いだけど、他の選手も強くあってほしいか、ライバルに強くあってほしいと思っているかどうかは…たぶんそうは思ってなさそうだわ汗。もちろんパトリックという巨星がいたからこそ、バンクーバー前後で一端技術面で停滞していた男子シングルがここまで進化してきたわけですが。
　ソチが終わったばかりだというのに、次のオリンピックが待ちきれないな。
　羽生君をはじめ、男子シングル選手のみんな。
　強く、激しく、美しく成長してね
　くれぐれもケガには気をつけて…(｡-人-｡)
○長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。